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魚雷の「1番」の文字へ高熱伝導は不可能
KISTソン教授が最終報告書

2010.8.4(8.2付記事)
デイリーNK申周鉉 記者

 天安艦を攻撃した北朝鮮魚雷で発見された1番の文字が、無傷の状態で残っていた問題と関連し、爆発当時に高熱に晒(さら)されていなかった点が理解できないという一部の主張に対し、ソン・テホKIST(韓国科学技術研究院−大韓民国大田広域市儒城区に本部を置く国立大学。1981年に設置された)教授は、2日に発表した最終報告書で、「極端な場合でも魚雷の推進部の温度が摂氏20度以上になる可能性は全くない」と話した。
 同教授はこの日、魚雷推進部の温度計算最終報告書を通じ、「研究結果によれば、魚雷の推進部ディスク後方の1番の文字の部分は(爆発以前と比較し)、0.1度も上がらない。ディスク前面のペイントなども熱損傷を受ける可能性は全くない」と説明した。
 この説明はイ・スンホン・バージニア大物理学科教授らなどが提起した『魚雷の破片の後部の1番という文字は、爆発時の高熱にも関わらず正常に残っている事を理解する事ができない』(プレシアン5月31日報道)という疑惑を、権威ある科学者の研究を通じて解明したものだ。イ教授は魚雷の推進体に最低でも摂氏325度の熱が発生したと主張していた。
 国防部はこれまで損傷が無かった理由として、爆発と同時に非常に早く(魚雷爆発後にバブルが天安艦に到達する時間が0.2秒)後方に押し出された為だと説明してきた。

 しかし、ソン教授の説明によれば、魚雷後方がバブル発生、膨張過程で押し出されず爆発時の位置で停止しており、部品に囲まれて海水とも接触していなかったという。
 同教授は「魚雷の推進部ディスクの前面(文字はディスク後部に連結)は0.0071秒後に高温の衝撃波が発生し、その後に温度が上昇するが、0.0145秒の5.46度をピークに徐々に冷却される」と話した。
 報告書は、このような現象が発生する理由として、バブル内では火炎による高温状態が長く持続しないためだと指摘ている。
 魚雷の爆発後、バブルが膨張し断熱効果をもたらす事で急激に温度が低下し、爆発後0.05秒後には塗装に熱損傷を起こす事もできない低温度(約130度)に急速冷却され、0.1秒後には摂氏28度に到達する。この結果、火炎の衝撃波に露出するディスクの全面の温度は、5.5度を越えない範囲だという。
 同報告書は、「ディスク後部が海水へ露出していようが断熱仕様であろうが、3度以上は上がらない」とし、また極端な可能性を確認する為に、ディスク前面に瞬間的に3000度に加熱した場合いにも、1秒後には1億分の1度も上がらないと説明している。
 「(爆発後、熱が前面から後方に伝えられる)時間は1秒以下とあまりにも短く、このような短い時間では温度変化を伝える事が出来ない。これは石膏ボードの上を熱い火が瞬間で通りすぎたとしても、熱さを感じる事が出来ないのと同じだ」と話した。
 同教授はこの様な複雑な計算式を用いずとも、基礎的な熱伝導の原理を理解していれば誰でもわかる事だと付け加えた。
 「天安艦と魚雷の残骸に残された現象は、該当の専門家グループの高度な分析によって正しい情報が提供されるべきだ。専門性の低い知識による世論の形成は社会の後進性を現している」と指摘した。

 
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