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金慶洙知事懲役2年で激震走る文在寅政権

コリア国際研究所 朴斗鎮

2019.2.4

目次
1、金慶洙知事の有罪判決で文政権の正統性に疑問符
2、金慶洙が主導した「ドゥルーキング(드루킹)事件」の捜査経緯
3、衝撃を受けた韓国与党「裁判官弾劾推進」と司法を脅す
4、共に民主党と自由韓国党の支持率差が一ケタに
【資料】【コラム】ドルイドキング事件、真相の隠蔽を図った韓国警察

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 文在寅政権にはこのところ内部告発、与党議員の投機疑惑、経済補佐官の暴言、政権の宣伝機関と言われるJTBC社長の「スキャンダル疑惑」など政権を揺るがす事件が相次いで表面化している。
 ▲青瓦台特別監察チーム・キム・テウ行政官による青瓦台の腐敗・民間人違法捜査とウ・ユングン駐ロシア大使の不正への内部告発、▲シン・ジェミン企画財政事務官による青瓦台の民間企業への人事違法介入と4兆ウォン赤字国債発行圧迫に対する内部告発、▲孫恵園(ソンヘウォン)与党議員の木浦旧市街投機疑惑、▲大統領経済補佐官キム・ヒョンチョル与党議員の「50-60台は東南アジアへ行け」との暴言(その後補佐官辞任)、右派から「文政権のゲッペルス」と揶揄されているJTBC孫石煕(ソン・ソッキ)社長の暴行事件と背任容疑及びMetooスキャンダル容疑騒ぎ、▲そして文大統領の娘一家が、昨年中ごろ複雑な経緯で自宅を売却しタイに移住した件、などがそうした事がらだ。
 こうしたなかで文政権にメガトン級の直撃弾が飛んできた。それは1月30日午後に、文大統領の最側近である慶尚南道知事金慶洙(キム・ギョンス、51)が、インターネット不正世論操作事件(業務妨害と公職選挙法違反の罪で昨年8月に特別検察官から在宅起訴されていた)で、懲役2年(求刑・懲役5年)の刑が言い渡され(ソウル中央地裁)即刻法廷で拘束されことだ。
 金知事は盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の「最後の秘書官」であり、文在寅大統領の「腹心」と呼ばれる「親盧・親文」グループの中核的存在だ。2002年の大統領選当時、盧元大統領と関わった縁で、盧政権では大統領府(青瓦台)演説企画秘書官を務めた。盧元大統領の退任後も「烽火財団」事務局長などを務め、盧元大統領を最後まで補佐した。
 金知事は2012年の総選挙で慶尚南道金海乙選挙区から出馬。2014年地方選挙でも慶尚南道知事に立候補したがいずれも落選した。しかし、2016年総選挙で金海(キムヘ)乙選挙区から再出馬し、全国の民主党候補で最高となる62.4%の得票率で国会議員に初当選した。
 2012年の大統領選では文在寅候補に随行。17年の大統領選では随行団長、広報担当まで務めた。文在寅政権発足時、引き継ぎ委員会に代わる存在だった国政諮問委員会で企画担当を務め、新政権立ち上げを陣頭指揮した。2018年6月の地方選挙では、慶尚南道知事に当選し、一躍次期大統領選候補の一角に躍り出た。しかし、今回の判決で一転政治生命の危機を迎えている。文政権にとっては大打撃といえる。
 次々に噴き出すこうした文政権の腐敗・違法行為は、この政権がすでにレイムダック化していることを示すものである。

1、金慶洙知事の有罪判決で文政権の正統性に疑問符

 裁判所は「金知事が世論操作犯行の全般にわたって支配的に関与した」と明らかにした。大統領選挙における世論操作集団・ドルイドキング一党との「共謀」を超えているという趣旨だ。裁判所は金知事が▼ドルイドキング一党が開発した書き込み操作プログラム「キングクラブ」を知っていた▼ドルイドキングが送ってきた情報報告を確認した▼ドルイドキングにインターネット上の記事リンク(URL)を転送した--などの主要争点をすべて認めた。
 最大の争点は金知事が大統領選を控えた2016年11月、ドルイドキングらの活動拠点である京畿道坡州市の出版社を訪ね、コメント操作用のプログラム「キングクラブ」の実演を見たかどうかだった。ドルイドキングらはこのプログラムで16年末から昨年初めにかけ、8840万回にわたるコメント操作を行っていた。金知事は「見たことがない」と主張していたが、裁判所はこの主張を退けた。
 金被告は元党員キム・ドンウォンと2018年6月の統一地方選まで世論操作を続けることを取り決め、その見返りとして元党員側に日本の仙台総領事職を提案した公職選挙法違反にも問われた。地裁はこれについても有罪と認めた。
 金知事のこの日の公判に先立ち開かれた同元党員の判決公判で、同地裁は世論操作と贈賄などの罪で懲役3年6カ月の実刑判決を言い渡した。地裁は判決で金知事が元党員やその仲間の犯行に助けられたことを認めた。
 知事などの場合は公職選挙法違反で懲役刑や100万ウォン(約10万円)以上の罰金刑が確定すれば当選が無効になる。一般の刑事事件で禁固以上の刑が確定した場合も同様だ。このため、一審判決が上級審で確定すれば金被告は知事を失職する。
 ドルイドキング事件は、2017年の大統領選挙の正当性を問う重大な案件だったが、この事件に文大統領の腹心が「支配的」に関わっていたとの司法判断が下されたことで、文政権の正当性にも大きな疑問符が付くことになった。
 自由韓国党は大統領府(青瓦台)の前で緊急議員総会を開き、「文在寅大統領はどこまで知っているのか明らかにしろ」と迫った。国会法制司法委員会の余尚奎(ヨ・サンギュ)議員はドルイドキング事件に関連し、「大統領を在任中に訴追することはできないが、捜査は可能だとの学説がある」と述べた。一部議員は「世論操作で行われた大統領選は無効だ」と主張した。

2、金慶洙が主導した「ドゥルーキング(드루킹)事件」の捜査経緯

 事の発端は、昨年平昌で開催された冬季オリンピックでのコメントだった。「드루킹(ドゥルーキング)」(韓国メディアの日本語訳ではドルイドキング)のハンドルネームで活動していた共に民主党党員であったキム・ドンウォンが、韓国のインターネットサイト「NAVER」に掲載された女子アイスホッケー南北合同チーム結成の記事に対し、2018年1月17日夜から翌日の明け方にかけて、「コメント」や「いいね」を不正に登録した疑いが持たれ、共に民主党が1月31日に告発した。
 この時「共に民主党」党首だった秋美愛(チュ・ミエ)氏は、「非正常的コメントねつ造で民主的世論形成を妨害するドルイトキング一党を民主主義の敵と規定する」と言明した。しかしドルイトキング一党を捕まえてみれば皮肉にも文在寅大統領腹心の金慶洙知事が指揮したことが明らかになったのである。金慶洙知事にはまだ上級審が残っているとはいえ、動かぬ証拠が多いために判決は覆らないだろうと見られている。
 2月7日ソウル地方警察庁サイバー捜査隊が捜査開始したが、3月14日にドルイトキングはフェイスブックに「大統領選挙コメント部隊の黒幕が誰か暴露する」との文字が掲載された。3月21日にはキム・ドンウォンが運営するパジュ市「ヌルプ木(ニレ属の樹木の総称)出版社」事務室を強制捜査し、3月24日に金氏など3名に文在寅政権を誹謗するサイバー世論操作を行ったという容疑で拘束令状が出され緊急逮捕した。この事件は3月30日に検察に送致された。
 そして4月13日に警察が事件内容を一部公表した。しかし逮捕・拘束されたにもかかわらず、警察は隠ぺいしようとしていた。そうしたことから2018年4月14日にハンギョレ新聞の社会面で単独報道されるまではほとんど何の関心も示されなかった。左派系ハンギョレ新聞がこの事件をイッシュー化したというのもまた皮肉なことであった。

国会は特別検察官を任命・捜査開始

 検察は19代大統領選挙直前の2017年5月に、すでに中央選挙管理委員会から金氏の選挙法違反の疑いについて捜査してほしいという依頼を受けて、5ケ月間に渡って事件を内定捜査したが不起訴の決定を下していた。こうした事情があったために通常の捜査では真実が明らかにならないと判断した自由韓国党をはじめとした野党3党は特別検察官の任命を要求した。
 国会法制司法委員会では、2018年5月21日、ドルイトキングによるインターネット上の違法コメント操作事件に関する真相究明のための特別検察任命に関する法律案を発議した。この法案は、同日、国会本会議で在席議員249人のうち賛成183、反対43、棄権23票で可決された。そして許益範(ホ・イクボム)特別検察チームが立ち上げられた。
 特別検察の捜査過程で2017年の韓国大統領選前からネット上で大規模な世論操作や印象操作が行われてきた事実とその背景が明らかとなった。
 「ドルイドキング」を運営したキム容疑者ら犯行グループは、大統領選挙投票日の半年以上前、少なくとも2016年10月から「いいね」の数を捏造(ねつぞう)していたことが分かった。犯行グループは独自のサーバーを構築し、作業を効率的に行うため記事へのコメントに自動で「いいね」をつけるマクロプログラム「リンクラップ」を使っていた。
 キム容疑者らが昨年1月17-18日の2日間、676の記事についた2万以上のコメントに「いいね」を大量につけていた事実も明らかにした。犯行グループがマクロを使って2万以上の記事コメントに「いいね」をクリックした回数は210万回に及んでいた。
 坡州(パジュ)にある拠点の(ヌルプナム)出版社事務所からは170台以上のスマートフォンが発見された。ネイバーなど大手検索サイトは今回のような捏造(ねつぞう)を未然に防止するため、コメントを書き込める回数をアドレスごとに制限しているが、その制限をかいくぐるため「ドルイドキング」は大量のスマートフォンを入手したと思われる。それらのスマートフォンを時価に換算すると数億ウォン(数千万円)相当の額になる。
 彼らが運営していた出版社は8年にわたり1冊の本も出版さなかったが、毎月数百万ウォン(数十万円)の家賃を1回の滞納もなく支払っていた。また事務所には毎晩明かりが灯され、30~40代とみられる数十人が出入りしていた様子を周辺住民などが目撃していた。外部からの支援無しに長期にわたりこの事務所を借り、数十人に仕事させることはどう考えても不可能なことだ。
 「ドルイドキング」は、文在寅大統領(当時候補)の競争相手である自由韓国党の洪準ピョ(ホン・ジュンピョ)候補や安哲秀(アンチョルス)候補に標的を定め、特に安哲秀候補に対して集中的に攻撃した。
 安氏によると、「ドルイドキング」らにより手当たり次第に広められたコメントや書き込みには、「安哲秀は社会不適合者で、裏切り者。金目当ての人間」、「安哲秀の愛人は、江南(カンナム)や木洞(モクトン)にもいる」など、誹謗中傷が相次いだという。

特別検察が金慶洙議員の関与を認定、懲役5年を求刑

 特別検察チームは2018年6月の発足直後、キム容疑者に協力していた2人の弁護士も立件した。法律に詳しい専門家は「(2人の弁護士は)捜査が普通に行われていれば立件されて当然の人物だが、警察はそれをしなかった」と指摘している。特別検察チームも警察の捜査について「(そのずさんさには)本当に驚いた」などと指摘した(末尾資料参照)。
 特別検察官チームはドルイドキングの一党が2016年12月から今年3月までポータルサイトの書き込みに「いいね」「よくない」を不正にクリックするなどの方式で計9971万件の世論操作をしたと把握した。このうち8800万件に金知事が共謀したとみている。
 特別検察官チームはまた、金知事が2016年11月9日、ドルイドキングが運営する京畿道坡州(キョンギド・パジュ)のヌルプナム出版社を訪れ、コメント不正書き込みプログラム「キングクラブ」の実演を見て使用を承認・黙認(コンピューター等障害業務妨害容疑)したと見ている。
 そして、2017年12月、ドルイドキングに日本の仙台総領事職を対価に6・13地方選挙を助けてほしいと要求(公職選挙法違反)したとも見ている。

 特別検察官チームは昨年12月28日、ソウル中央地裁の審理で行われた金知事の結審公判で「被告は、選挙のためなら違法行為をする私的組織を動員し、公職を取引対象として扱う逸脱した政治家の姿を見せた」とし、金知事に懲役5年を求刑した。

疑惑追及はさらに文大統領へ

 国民が最も注目する問題は、事件の核心でもある昨年の大統領選挙投票日前後に犯行グループと現政権勢力がいかなる関係を持っていたかという点だ。
 金慶洙知事は2016年6月からキム容疑者と7-8回会ったことが分かっている。さらに大統領選挙前の2016年11月からおよそ1年間、メッセンジャープログラムで10の記事リストをキム容疑者に送って宣伝を要請し、さらにキム容疑者からの人事の口利き依頼を自ら直接大統領府に伝えていた。
 大統領夫人の金正淑(キム・ジョンスク)氏は昨年4月の選挙運動期間中、キム容疑者のグループ「キョン・イン・ソン(経人先=経済も人間が先)」(当初は「経済的共進化グループ」という名前だったが、これが言いにくいとの理由で文大統領が「キョン・イン・ソン(経済も人間が先)」に変えたという)のメンバーを直接激励していた。
 韓国野党・正しい未来党からソウル市長選挙への出馬した安哲秀(アン・チョルス)候補は昨年4月20日、文在寅大統領に対し「(与党)共に民主党員によるネット書込みねつ造事件で逮捕されたキム・ドンウォン容疑者(ハンドルネーム:ドルイドキング)との関係を直接説明すべきだ」と要求し「これに応じなければ国民は抵抗するだろう」と警告した。
 安氏は文大統領に「大阪総領事人事の口利き問題」についても説明を求めた。大統領選挙直後、キム容疑者が金慶洙知事にある人物を総領事として推薦し、大統領府の白元宇(ペク・ウォンウ)民政秘書官が実際にこの人物と面会したことがわかっている。安氏は、その際に文大統領にどのような報告が行われ、あるいは指示があったかを明らかにするよう求めた。安氏はさらに「(大統領選挙の際)文候補がソンプル(ネットでの善意の書込み)を呼びかけると、(モーゼの時代に)紅海が分かれたように実働隊が組織された。国民はこのことにも疑いの目を向けている」と指摘した。
 しかしこれまで文大統領は今回の判決に一切立場表明を行っていない。

3、衝撃を受けた韓国与党「裁判官弾劾推進」と司法を脅す

 与党・共に民主党は1月30日、金慶洙知事の一審判決を「梁承泰(ヤン・スンテ)元大法院長(最高裁長官に相当)勢力の報復裁判」と規定、「司法介入に関与した裁判官の弾劾を推進する」と明らかにした上で、金慶洙知事の裁判を担当したソン・チャンホ部長判事を根拠もなく「梁承泰の側近、司法介入関係者」と名指しした。
 共に民主党の洪翼杓 (ホン・イクピョ)首席報道官は同日の緊急最高委員会後、記者会見を開き、「司法介入勢力の報復裁判に対して非常に遺憾に思う。我が党は『司法介入勢力・積弊清算対策委員会』を構成するだろう」と語った。さらに、「梁承泰元大法院長の司法介入にかかわっている判事の人的清算が行われなければ司法改革は難しい。法的手続きである(裁判官)弾劾を含むさまざまな方策を考えたい」と述べた。

 洪永杓(ホン・ヨンピョ)院内代表は「梁承泰(ヤン・スンテ)元大法院長の積弊組織が組織的に抵抗している。不純な動機と政治的理由のために、現政権を揺るがさないでもらいたい」と述べた。
 朴柱民(パク・チュミン)最高委員は「ソン・チャンホ部長判事は梁承泰元大法院長の秘書室判事をしていた、かなりの側近だ。政治的な背景を疑う余地が十分にある」「ソン・チャンホ部長判事本人は司法介入に関与したという理由で検察の調査を受けた人物だ」と語り判決は不当だと司法を圧迫した。
 朴洸温(パク・クァンオン)議員は「政治特別検事の論理をそのまま受け継いだ裁判所に驚がくを禁じ得ない」と、ミン・ビョンドゥ議員は「『私的因縁』による『私的報復』と疑わざるを得なくさせた」と述べた。
 だが、共に民主党は昨年7月にソン・チャンホ部長判事が朴槿恵(パク・クネ)前大統領の国家情報院特別活動費・選挙公認介入に関する一審判決で懲役8年を言い渡した時は「極めて予想可能な決定」と歓迎していた。
 韓国では「ネロナムブル(自分がすればロマンス、他人がすれば不倫)という利己主義の極致を表現する言葉があるが、共に民主党のこうした豹変ぶりに対して、国民はその言葉がそのまま当てはまるとして共に民主党に批判を強めている。

 共に民主党内では、金慶洙知事の今回の判決により与党の次期大統領選挙の構図も影響を受ける可能性があるという声が上がっている。同党関係者は「安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道元知事が脱落してから1年も経たないうちに有力候補がまた危機にひんしている」「李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事も裁判を受けているが、このままでは我が党の候補が枯渇しかねない」と語った。
 共に民主党としては、金慶洙知事の当選でかろうじて確保した釜山市・慶尚南道という地盤が瓦解する恐れもある。同党関係者は「大統領が金慶洙知事に4兆7000億ウォン(約4610億円)の『高速鉄道予備妥当性調査免除というプレゼント』を渡して一日でこのようなことになった。これまで慶尚道、その中でも釜山市・慶尚南道の支持が低く悩みがいろいろあったが、今回の件は新たな悪材料になりそうだ」と話した。
 また、別の党関係者は「もしこの状態で慶尚南道知事の再選が行われれば、結果について豪語はできない」とも述べた(朝鮮日報日本語版2019/01/31 09:31)
 大統領府も予想外の判決に衝撃を受けている。大統領報道官は「あり得ない判決だ」と表明し、今後司法に対する圧迫を強化する姿勢を見せた。これに対して、野党自由韓国党は「与党が裁判所の判決を否定し、司法機関の独立と三権分立の原則を損ねている」とし、文在寅大統領に対する捜査を要求した。

4、共に民主党と自由韓国党の支持率差が一ケタに

 与党・共に民主党と野党・自由韓国党の支持率の差が文在寅政権に入って初めて1けたに縮まったという世論調査の結果が1月31日、発表された。
 世論調査専門機関リアルメーターがtbsの依頼を受けて1月28-30日、全国19歳以上の有権者1505人を対象に調査(95%信頼水準に標本誤差±2.5%ポイント)した結果、民主党の支持率は先週より0.9ポイント下落した37.8%、韓国党の支持率は1.8ポイント上昇した28.5%となった。
 民主党の支持率は3週連続で落ちた。湖南(ホナム、全羅道)と大邱(テグ)・慶北(キョンブク)、仁川(インチョン)・京畿(キョンギ)、40代、50代以上、中道層で離脱があった。
 リアルメーターは「民主党の支持率低下は金慶洙(キム・ギョンス)慶南知事の拘束の影響と分析される」と説明した。
 一方、自由韓国党の支持率は3週連続で上がった。仁川・京畿とソウル、40代、50代、60代以上、中道層と進歩層で上昇した。
 リアルメーターは「韓国党の支持率上昇は黄教安(ファン・ギョアン)元首相、呉世勲(オ・セフン)元ソウル市長、洪準杓(ホン・ジュンピョ)前代表の党代表選関連報道の増加、金慶洙知事の拘束によるものと考えられる」と分析した。
 先週12ポイントだった両党支持率の差は9.3ポイントに縮まった。文在寅政権に入って民主党と韓国党の支持率の差が1けたになったのは今回が初めて。
 政府発足直後の2017年5月に40ポイント台だった両党の支持率の差は徐々に狭まり、昨年11月から10ポイント台、今回の調査では10ポイント未満に縮小した。
 正しい未来党は1.4ポイント上昇した6.9%と、昨年5月第4週以来およそ8カ月ぶりに正義党を上回った。正義党は1.5ポイント落ちた6.6%、民主平和党は0.7ポイント下落した2.4%だった。無党層は0.1ポイント減の15.8%。
 文在寅大統領の国政支持度は、金慶洙知事に対する一審での実刑判決の余波で小幅下落した。
 文大統領の国政遂行に対する肯定的な評価は先週より0.2ポイント落ちた47.5%(非常によい23.4%、よい24.1%)で、3週連続で小幅下落した。否定的な評価は1.5ポイント上昇した47.2%(非常によくない31.6%、よくない15.6%)だった。「分からない・無回答」は1.3ポイント減の5.3%だった。
 リアルメーターは「文大統領の国政支持度は、自由韓国党の『一人飯大統領』非難と文大統領の家族の海外移住をめぐる疑惑提起攻勢があった29日までは上がっていたが、金知事が拘束された30日には下落に転じた」と分析した(中央日報日本語版2019年01月31日15時02分)。

【資料】
【コラム】ドルイドキング事件、真相の隠蔽を図った韓国警察

朝鮮日報日本語版2018/07/20 15:01

 「すでに家宅捜索を2回も行った。証拠も十分に確保したので全く問題はない」
 ソウル地方警察庁のイ・ジュミン庁長が17日夜、本紙の電話取材にこのように主張した。イ氏は今年2月から6月までインターネット上での記事コメントによる世論操作事件「ドルイドキング事件」の捜査を指揮した人物だ。
 記者がイ庁長に電話をかけた理由は、この日夜にある番組で報じられた映像について問うためだった。与党・共に民主党党員キム・ドンウォン容疑者(49)=ハンドルネーム:ドルイドキング=とそのグループが記事コメントの捏造(ねつぞう)を実際に行った拠点は坡州市内の出版社とされているが、この出版社に対する家宅捜索ではパソコンなどの証拠が押収され、これらは10キロ先のコンテナ倉庫に運び出された。ところが問題の映像には京畿道坡州警察署所属の2人の警察官がその様子を最初から最後まで見物するだけの様子が映し出されていた。これについて坡州警察署のパク・サンギョン署長は「ソウル地方警察庁からドルイドキングのオフィスにあった物品の保管を求める要請は受けていない」と話した。電話取材に応じたイ庁長は「すでに証拠があふれているため、出版社の物品に対する特別な措置は必要ない」と説明した。
 しかし実際にふたを開けてみると正反対だった。特別検事とそのチームはコンテナ倉庫からメンバーが使用した会計帳簿、手帳、パソコンなどを大量に確保した。犯行グループが1年以上にわたりコメント捏造を続けるに当たり、それに必要な毎月数千万ウォン(数百万円)の維持費をどこから調達したのかが捜査の重要なポイントだが、この点は今も解明されていない。
 そのため倉庫から発見された帳簿はこれを確認する重要な証拠になる可能性がある。しかもこの倉庫でも犯行グループは複数回にわたり捏造を行い、それに何人動員されたか把握するのに必要なスマートフォンのSIMカードも新たに発見された。警察によるこれまでの捜査で確保されなかった重要な証拠だ。
 警察による捜査のずさんさは証拠を確保しなかっただけにとどまらない。特別検察チームは先月の発足直後、キム容疑者に協力していた2人の弁護士を立件した。法律に詳しい専門家は「(2人の弁護士は)捜査が普通に行われていれば立件されて当然の人物だが、警察はそれをしなかった」と指摘している。特別検察チームも警察の捜査について「(そのずさんさには)本当に驚いた」などの声が相次いでいる。特別検察チームは現在、この事件の最も基本となる犯行グループによる捏造の規模から改めて調べている。
 警察は捜査段階から「やる気がない」などの指摘を何度も受けてきた。キム容疑者と金慶洙(キム・ギョンス)慶尚南道知事がメッセンジャープログラムでやりとりしてきた事実は警察の捜査段階からすでに明らかになっていたが、警察は金知事のスマートフォンを押収しなかった。しかも警察が捜査を行っていた期間に犯行の拠点だった出版社オフィスは窃盗の被害に遭っている。
 警察が捜査を行うほど証拠が消滅し、現場が荒れるとの声も相次いだ。ところが警察は今も「捜査は十分に行い、証拠も全て特別検察チームに引き渡した」と強弁している。警察に対しては今や「ずさんな捜査」どころか「隠蔽(いんぺい)捜査」との批判も出ているが、それも警察の耳には全く届いていないようだ。

以上

 
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