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今週のニュース

第3回「文在寅・金正恩会談」について

太永浩前北朝鮮駐英公使

2018.9.18

 平壌では、今年3回目の南北首脳会談が行われています。北朝鮮は金大中と盧武鉉大統領よりも騒がしく、多くの平壌市民を動員して文在寅(ムン・ジェイン)大統領を歓待しました。
 19日には3回目の南北首脳会談の合意文が発表される予定であり、世界の視線はこう着状態にある北朝鮮の核問題解決が再び動き出すかどうかに焦点を当てて注視しています。
 しかし今韓国国内では、今回の首脳会談の成果に対する評価基準をどこに置くのかで意見が分かれています。
 一部では、南北首脳会談のたびに、韓国政府は、北朝鮮の「非核化の意志は明らかである」と宣伝してきたが、これを具体的に明示したことがないと指摘しています。今回は北朝鮮非核化の核心である申告•検証方法と期限などに関する具体的な約束がなければならないと主張しています。
 しかし、もう一方では、韓半島の平和のための課題として、北朝鮮の非核化だけを取り上げるのは誤りであり、また現時点で北朝鮮に核施設申告の約束を要求するのは無理だと主張しています。そして、南と北の境界地域で緊張緩和をもたらす軍縮合意を先行させなければならないと論じているのです。北朝鮮が非核化に安心して出てこられるようすることが重要だとの意味です。
 こうした相反する主張の前で、私たち国民は誰の主張が正しいのか判断がつかない状態です。
 一方、米国は14日、北朝鮮の非核化が達成されるまで制裁を徹底的に執行するとしながら、南北間の軍縮ではなく、非核化が先決だという立場を発表しました。
 また12日、英国国会議事堂で行われた対北朝鮮政策セミナーでは、北朝鮮が核兵器を隠したままで非核化を実行したと主張すると思われ、こうした非核化方式をトランプ米大統領が容認する可能性が高まっているという評価も出ています。
 それとともに英国国会議員は、韓国政府がこのような「北朝鮮非核化」を「非核化」と宣伝し、中国も問題視しない状況が数年続いた場合、結局、北朝鮮は核保有国になるだろうとの見通しを示しました。
 私たち国民は、今回の第3回南北首脳会談で、北朝鮮の非核化と関連した明白な代案が出てくるのを期待しています。
 今回の会談で、金正恩に核兵器と北朝鮮の経済的繁栄という二兎を追うことはできないと率直に話すことが、韓国のためにもなり金正恩も助けることにもなる道です。
 今金正恩は、中国と韓国だけうまく利用すれば、核兵器を廃棄しなくても制裁から解放されてくることができ、韓国、中国とだけ交流と協力しても、北朝鮮の経済が再生すると考えています。
 最近北朝鮮は、韓国に向けては、「わが民族同士」を、アメリカに向けては、「終戦宣言」を要求し、核兵器という「盾」を放棄することはできないと叫びながら、米朝交渉のこう着状態を南北関係の進展で突破していくという「非対称戦術」を駆使しています。
 今、北朝鮮の内部は、共和国創建9.9節で中国、ロシアはもちろん世界の多くの政府代表団が北朝鮮を訪問したとしながら、核を完成したらむしろ北朝鮮の国際的地位がさらに高まった宣伝しています。
 もし今回の首脳会談で、北朝鮮の核解決よりも南北軍縮を先行させて、具体的な非核化の約束なしに経済協力だけを約束するなら、結局、北朝鮮の核保有が北朝鮮の地位を高めたという北朝鮮核戦略の正当性を実践的に証明する格好になります。

 このようになると、韓国に対する国際社会の疑惑はさらに深まり、平和的な方法で北朝鮮の非核化を実現する機会は永遠に失われることになるでしょう。

以上

 
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