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黄長Y元書記、中国共産党と金正男の関係を語る
90年代から隠密裏に進められた金正男後継者作業

2007.8.31

 黄長Y朝鮮労働党元国際書記は8月28日、このところ平壌帰国説が飛び交っている金正日の長男、正男(36)についての秘話を明らかにした。
それによると次男の正哲(26)が後継者として浮上するまでは、パーティーなどを通じて自分の側近を管理し、張成沢と権力競いをするほどに権勢を振るっていたという。
 黄元書記は続けて「金正男は90年代初頭から、中国共産党の後援を得て、中国に出入りし、外貨稼ぎ事業をしていた」と述べ、「当時正男は事実上、No.2であった金正日の妹金敬姫の夫、張成沢と競争関係にあり、仲があまりよくなかった」と語った。
 そして、「もし正男が平壌帰国後、組職指導部で活動しているという主張が事実ならば、これは中国の支援と北朝鮮国内に残っている親金正男勢力が、重要な役割を果たしている可能性がある」と解説した。
 黄前書記はまた「中国共産党は『金正日以後』を準備するために、90年代から後継者として浮上した正男との関係を築くために努力した」と述べ、「中国と金正男を結びつけたのは、金平日北朝鮮大使で、上部には『中国と金正男が親しくなることが外貨稼ぎに大きく役に立つ』と報告し処理した」と述べた。
 中国はこの時期に、金正男だけでなくその親戚を利用して、延亨黙(ヨン・ヒョンモク)や呉克烈(オ・クンニョル)などの高位幹部との接触も試みたが、これに気づいた金正日が中国との関係を遮断し、中国の対北朝鮮政治作業は中断したと説明した。
 黄元書記は中国の高位関係者の言葉を引用し、「次男の正哲(ジョンチョル)が成長し、(2002年-2003年頃と推定)高英姫をバックにして組職指導部で働き始めたが、この時から張成沢と正哲は仲互いし始めた」と述べ、「当時、張成沢との仲が悪かった李・ジェガン幹部担当副部長が、正哲をバックにして、張成沢を追い出したと聞いている」と語った。
 張成沢は2003年頃、革命化教育を受けさせられて謹身したという説が有力で、その後2006年1月頃、勤労団体及び首都建設部第1副部長として党に復帰した。正哲との仲が極度に悪化したこの時期に、張成沢は正男と親しくなったという。
 これに関して、東アジアのある国家の情報機関が、2005年初めから中国の北京と平壌の間で、頻繁に行われた正男と金正日の妹、金敬姫の国際電話を盗聴するのに成功し、2人は互いの境遇を慰め合い、金正日に対する不満を吐露したという内容がメデイアによって公開されたこともある。
 張成沢の失脚と、正男の海外事件(2001年日本密入国など)で、正哲に傾きかけていた後継者構図だったが、2004年5月の高英姫の死亡が反転のきっかけになったという。
 今回張成沢が復権し、金正日の機密費と外貨稼ぎを担当して金正日の信頼を回復し、中国共産党の力強い後援をバックにして、正男が本格的な後継者争いに再び食い込んだという解釈も成り立つ。
 対北情報の消息筋によれば、現在、北朝鮮には正男を支持する勢力がかなり多くいるという。この消息筋は「正男の支持者たちが、『高英姫は亡くなったのに、どうして長男を差し置いて次男が後継者になるのか』という主張を行っている」と語った。
 だが、正男の再起はあまり楽観視できないという見方も根強い。彼が北朝鮮の住民に公開しずらい後妻の成恵琳の子供であるうえ、海外のメデイアに恥をさらし、指導者としては欠陷が多いというのだ。何年間も北朝鮮に入国できずに海外を放浪したのがその証拠という。
 これに対して黄元書記は、「後継者について、様々な話が出ているが、結局、金正日が決心すれば、すべてが終わる」と述べ、「金正日が自身と正男の出生の背景などについて口を閉ざすよう指示して、偶像化事業を始めれば問題はない」と語った。
 中国−金正男―張成沢ラインについてはコリア国際研究所でも別ルートで情報をキャッチしていたが、黄元書記の口から具体的に語られたのはこれが初めてだ。

 
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