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今週のニュース

寄稿
複雑な時ほど単純な原則を固守しなければならない

北朝鮮民主化同盟委員長 黄長Y
2006.5.14

北朝鮮問題はその端緒から民族的要因と国際的要因が絡み合っており単純ではない。
問題が複雑になればなるほど、終始一貫明快な原則に基づくのが問題解決の秘訣だ。
北朝鮮問題解決で正義と不正義、真実と虚偽、現実と幻想を分ける基準は民主主義の原則だ。

1、 金正日独裁の本質的特徴

金正日独裁の本質的特徴は、スターリン式階級独裁に封建家父長的専制主義独裁を組み合わせたところにある。
スターリン主義は共産党と労動階級が存在してこそ、それらを代表する卓越な首領が存在し得るという論理だったが、金正日は卓越な首領がいてこそ共産党と労動階級が存在出来るという論理に作り変えた。
金正日は首領をすべての出発点と見る首領絶対主義の理論を創始した。この主張は親がいてこそ子があるから子は親の所有物という封建家父長的論理と同じである。
金正日は十代の少年時代から父である金日成の独裁政治に積極的に参加し、ついには独裁万能主義者に育った。彼はソ連崩壊の根本原因すらも首領独裁を弱化させたことにあると主張した。
彼にとって首領の唯一独裁は万能新薬だった。
金正日は、封建家父長的首領唯一独裁を徹底的に遂行することによって、個人の創意性を完全に麻痺させ、国を一つの大きな監獄に変えてしまった。その結果、経済が全面的に破綻することとなり、1995年後半から 1998年に至る大飢饉の惨状をもたらしたのである。
1995年には半年の間に党員 5万人を含む50万の勤労者が飢え死にし、96年には 11月中旬までで100万人が飢え死にした。その時、中央党組職指導部の担当幹部は、 97年には 200万人が飢え死にするだろうと話していた。97年と98年の餓死者に対する正確な統計は把握していないが、少なくとも 300万人以上の住民が犠牲となったことは間違いない。
金正日は自分を一番傑出した独裁の天才と信ずるようになり、不可能はないと思うようになった。彼は、国際法も国際的協約も眼中になかったし、自分の意思がすなわち法だと信じるようになった。
人権染躪と偽札、麻薬販売、外国人拉致は独裁者の当然の権限で、核兵器禁止条約を廃棄することぐらいは、手の平を覆すぐらいの簡単なことと見なすようになった。そして国際的犯罪行為も独裁者に与えられた特権と考えるようになった。
金正日は自己陶酔するあまり、自分よりはるかに術数に長けた金大中(キム・デジュン)氏のような達人(?)が韓国に存在することを考えもしなかった。

2、金正日独裁集団との民族共助を主張する金大中氏の「卓越」した戦略的構想

金大中氏は、金正日独裁集団との民族共助を主張するうえで、民族主義者、平和主義者、民主主義者の看板をためらうことなく掲げた。

1)金大中氏は金正日も同じ民族だから民族的に共助することは当然だと主張している。

6.25 南侵戦争を起こした金日成は、同じ民族ではなかったのだろうか?南へ進撃して来た人民軍、そして彼らと争った韓国の国軍は同じ民族ではなかったのだろうか?
共産主義者は、資産階級と無産階級は同じ空を戴くことのできない仇だから、同じ民族といえども情け容赦なく打倒しなければならないと主張している人たちだ。
ロシアの地主、資本家、富農は、階級の敵ということでロシアの無産階級によって処断されたし、中国の資産階級は中国共産党が導く中国の無産階級によって粛清された。
金正日が数百万北朝鮮同胞を餓死させ、全国を監獄に作りあげ、あらゆる不幸と苦痛をもたらした民族反逆者であることは疑う余地もない。その民族反逆者と民族共助するというのだから話にもならない。
殺人強盗犯と共助、協力する者が、共犯の責任から逃れられないように、最悪の民族反逆集団である金正日との民族的共助協力を行った人々も民族反逆罪と無関係ではいられないだろう。

2)金大中氏は金正日との民族共助を通じて朝鮮半島に平和をもたらしたと自慢している。

戦争を階級闘争の一環と見なす共産主義者たちの階級的立場は、勝利できるならば手段と方法を選ばず、ためらうことなく戦争を実行するというものだ。
数百万人民を餓死させても眉毛ひとつ動かさない金正日が、戦争に勝つとわかっていて戦争をしないのだろうか?金正日は今戦争を起こさないのではなく起こすことができないのだ。6.25 戦争で金日成の南侵を阻止したアメリカが、金正日の南侵戦争を許さないだけでなく平和的経済建設を基本国家利益とみなしている中国も金正日の無謀な南侵戦争を絶対許さないからだ。
戦争を起こせない状況下で、金正日が平和の看板を掲げているのは、韓国の人々を平和的気分に浸らせた後、左派親北朝鮮政権の樹立をもくろんでいるからだ。「非凡な才覚」を持った二人が、6・15 共同宣言を発表してわずか 5年で、韓国の民主主義陣地を切り崩し、親北朝鮮反米勢力が主導権を掌握できるようにしたのが正にそれだ。
勝利に酔って得意満面の金大中氏は国民を向けて叫ぶ。“以前には軍事分界線で一発の銃声がしても人々は慌てたが、今では北朝鮮が核武装をすると宣言してもびくともしなくなった。本当にすばらしい変化ではないか”と。敵を友と錯覚させて安心させ、痛みを忘れさせて眠らせる痲酔薬が果して名薬だといえるのだろうか。

3)金大中氏は金正日を積極的に援助することが北朝鮮を資本主義化する最上の道だと主張する。
金大中氏は言う。“共産主義者たちとは力で争って勝った実例がない、対話と共助を通じて自ら門を開くようにする方法しかない”と。多分これが自ら服を脱ぐようにさせるという彼の創案した妖術政策の真髄のようだ。
共産主義者たちは暴力革命を神聖化する暴力第一主義者だ。アメリカの強力な軍事力と経済力がソ連に戦争を起こせなくさせ、それが冷戦での自由陣営の勝利を導いた決定的要因だったということは誰も否定することはできない。6.25 戦争の時、北朝鮮は自ら門を開いて南に押し寄せてきたが、金大中氏なら対話と共助の方法で人民軍の進撃を阻止させることができたというのか。
金大中氏は大韓民国の大統領として大胆にも国民まで騙しながら莫大な外貨を金正日に渡した。韓国の多くの人々と海外の私心のない人士は、それがすべて金正日の核武装強化に利用され、韓国人民により大きい軍事的脅威を与えることに寄与したと認めている。しかし金大中氏と彼の追従者たちだけは、それが北朝鮮を自由民主主義に変化させるうえで大きく寄与していると主張している。
中国は去る 25年間、言葉としてではなく実践的模範を通じて金正日に改革開放を共に行うとを訴えて来た。しかし金正日は一貫してそれを拒否し首領唯一独裁の道を固守している。中国式改革開放すら反対する金正日が、アメリカ式自由民主主義を受け入れると期待できるだろうか。
金大中氏と彼の追従者はまた、中国も当然北朝鮮がアメリカ式自由民主主義を受け入れることに反対しているということを知るべきだ。くびきから解き放たれた小馬のように自分勝手な金正日を、中国が引き続きつかまえて同盟関係を維持しているのは、なによりもアメリカ式自由民主主義が鴨緑江まで押し寄せないようにするためだ。
いまや中国は、軍事的にも経済的にも超大国に発展した。裏面ではアメリカを脅威と恐れなくなっている。しかしアメリカ式自由民主主義の浸透は13億多民族国家の政治的統一に取り返しのつかない打撃を与え、それは中国式社会主義建設を危険にさらす基本要因になると警戒している。だが金正日の首領唯一独裁体制は、中国人民たちに、古い中国の苦痛と不幸を連想させる実例となっており、むしろ中国現体制の優越性を示す助けになっている。中国と北朝鮮は体制上大きな差があるが、アメリカ式自由民主主義を反対する点で利害が一致しており、これが両者を接近させる基本要因になっている。
金正日がかねてから自由民主主義の浸透を体制存亡の脅威と感じている条件のもとで、中国の確固たる支持を受けているかぎり裏で譲歩するということは考えられないことである。
金大中氏が、体の具合が芳しくないにもかかわらず、再び金正日と会うために北朝鮮を訪問する背後には、私たち凡人には想像すらできない '絶妙な' 戦略的利益が計算されているのだろう。しかし私たちはそのようなことにあえて神経を使う必要はない。私たちは欺瞞の大家といちいち対峙して戦う必要はない。
これらの策略家たちは、甘言と詭弁に惑わされない民主主義を愛する正直な人々を一番欺きにくい対象と見なしている。イカサマ師との闘いで、私たちが堅持しなければならない原則は、簡単明瞭かつ平凡な真理である。それは大韓民国の生命線である自由民主主義をより確固たるものとし、アメリカとの民主主義的同盟を強化して韓米日 3国の民主主義的共助体系を引き続き強化することだ。これこそ正に大韓民国の建国歴史が明白に実証している必勝不敗の民主主義的戦略だと言える。

金大中氏は世界的で最も悪名高い金正日を利用して世界的な栄光を手にしたという点で '空前絶後の才能'を持った「偉人」であることは間違いない。しかし無から有を創造する不世出のまやかしの大家も、歴史を絶対に欺くことはできない。金大中氏は、度が外れた野心は、叶えられるものまで叶えられなくするばかりか、得たものまでもなくすことになるという歴史の教訓を肝に銘じるべきだ。
 
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