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金桂寛次官強硬発言の 3つの狙い
けん制-時間稼ぎ-国際与論の反転期待

2006.4.16

4月9日から12日まで東京で開かれた北東アジア協力対話(NEACD)を通じて、アメリカの金融取締りを解除させようとした北朝鮮の戦術は、完全に目算はずれとなった。
北東アジア協力対話(NEACD)への出席を名目に来日していた北朝鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官は13日、帰国を前に東京都内のホテルで記者会見し、東京滞在中にヒル米国務次官補が直接会談に応じなかったことについて「六カ国協議(の再開)が遅れるのも悪くない。その間に我々はより多くの抑止力を作れるだろう。それが嫌なら金融制裁を解除すべきだ」と述べ、核兵器開発強化の構えをみせ米国をけん制した。
また「米国は敵視政策を行動で示した。我々は圧力には屈しない。米国が圧力を課すなら、我々は超強硬(対応)に出る。わが国の伝統的戦法である正面突破で解決を図る」とも発言。「我々の参加なしに(朝鮮半島の)非核化ができるのか」と、米国への強い不満を表明した。
そして金次官は「我々の要求はマカオの銀行に凍結された資金を我々の手に戻すことだ。資金を手にした瞬間(六カ国協議)に戻る」と語った。
こうした状況に対してデイリーNKの脱北記者であるハン・ヨンジン記者(平壌出身 2002年韓国入国)は次のような分析を行った。

最近北朝鮮はアメリカとの対決を軍事的強硬対応と融和戦略、住民たちを動員した自力更生で乗り越えようと思っている。
融和戦略の見地で見た時、北朝鮮が今回の東北アジア協力対話(NEACD)にかけた期待は大きかったといえる。北朝鮮は六カ国協議代表たちが一堂に集まる今回会議を今後の金融制裁解除と核賭博の良い機会と捉えたはずだ。
しかし朝―米会談が不発になることでがっくりした金次官は、バンコ・デルタ・アジア(BDA) 銀行に凍結された 2400万ドルでも返せと叫んだ。
こうした金次官の発言にはいくつかの狙いが込められている。
第一にそれは、アメリカの金融制裁を初期段階で阻止しようとしていることだ。BDAに凍結されている外貨は、労動党 39号室で管理する金正日の統治資金だ。もしも BDAに対する措置によって北朝鮮が引き下がった場合、アメリカの今後の措置に対抗できなくなるという計算がある。これは北朝鮮にとって致命的だ。相手の機先を制しないと大変なことになるという強迫観念にさいなまれているのだ(注―事実、金桂寛次官は8日午後、韓国首席代表の千英宇(チョン・ヨンウ)外交交通商部朝鮮半島平和交渉本部長との協議で、6カ国協議への早期復帰を促す千本部長に対し「われわれが譲歩すればブッシュ政権内の強硬派の影響力が大きくなる」と答えたという)。
第二に、国際的世論を自分側に引き寄せようとしていることだ。
金次官の発言は 「私たちは会談に出る意向があるのに、アメリカが妨害するので出る事ができない」と言う意味だ。外国記者や報道機関の前でわざわざ記者会見を開いた背景にはこうした意図が見え見えである。これは去る 2月 28日、北朝鮮外務省代弁人が「私たちも偽造紙幤製造と流通の被害者」と言及したことと同じ脈絡だ。
第三に、問題解決のために努力する姿を見せながら、同時に時間稼ぎの名分作りをしようという魂胆だ。
北朝鮮の六カ国協議にかける期待はとても低い。それは最近、露骨的な親中姿勢を見せていることからも伺える。短期間の内にアメリカとの関係改善を行おうとはしていない様子が見える。アメリカの次期政権を待つのも悪くないと考えているようだ。
とは言っても対中関係や国際世論への配慮もあるので六カ国協議空転の責任を負いたくないのも事実だ。凍結された 2400万ドルを口実に会談復帰を引き延ばす作戦だ。
六カ国協議と 2400万ドルを取引する金正日の提案には驚きを通り越して哀れささえ感じる。国家的自尊心を投げ捨てなければならないほど事情が切迫しているのだろう。

 
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